刑事施設経験者との出逢い

こんちは、GNK(ゲシュタルトネットワーク関西)の白坂和美です。刑務所出所者を囲んでのゲシュタルト療法、もう、20回くらい続けているグループです。この会でファシリテーターをしていますが、始めるにあたり「私でできるだろうか?」「怖いなー」というのが正直ありました。しかし、場の力というものは素晴らしいですね。ゲシュタルトの哲学に「全体とはこの総和いじょうである。」という言葉があります。わたしだけではなく、風水氏、参加者の暖かなエネルギー「場」を包み込み内面に触れていくことに手を添えてくれるんですねー。刑事施設経験者の方と円座になってのゲシュタルト療法、私にとって自分の偏見を無くしてくれたゲシュタルトの会です。いつもを催してくれている岩崎風水からのご案内と思い、以下お伝えします。(一部加筆)

【刑事施設経験者とのゲシュタルトセラピー つみ☆げしゅ】
こんばんは、主催の岩崎風水です。
刑事施設経験者とのゲシュタルトセラピー「つみ☆げしゅ」のワークショップのご案内です。故岡本茂樹さんの著書に「無期懲役囚の更生は可能か 本当に人は変わることはないのだろうか」という本があります。また、受刑者に対するロールレタリング(手紙を通じてのエンプティチェアのような感じで自分の見えなかった気持ちや感情を表現する手法)を用いた支援の研究─反省と更生に導くための重要な視点─という、検索すれば読める公開の論文があります。
https://www.ja-gestalt.org/pdf/gronbun/pdf_2011okamoto.pdf
再犯を防ぐには
私自身、無期懲役刑の多くいる刑務所で長く過ごした経験があることからも、岡本さんの研究はとても興味深い内容でした。刑事施設内の教育では受刑者に様々なバイアス(抵抗)がかかります。「仮釈放にして貰えるように振る舞おう」「反省している態度を見せよう」「自己の加害性を肯定することを言うと非難される」こうしたマイナス要因が働くの中で、*所内教育を心に響くものとして成り立たせるのはとても難しいことです。*(ここで言う教育とは、強制されるものではなく、本人が自主的に学ぶことのできる機会の提供のことです。)外部への文通においても、発信文書は内容の検査が行われ、心情の表現を妨げます。では、出所後の教育は可能か? 残念ながら、教育の機会が殆どないのが現状です。通常。出所者は、身元引受人のもとへ帰住するか、更生保護施設を利用します。仮釈放者に限っては「正業に従事すること」を義務付けられ、即時に就職して労働することを求められます。このハードルが意外と高いのです。逮捕で獄中の生活環境が悪化し、長い服役を終え、ようやく出所しても制限の多いゼロ以下のマイナスからの、生活の再構築が待っています。そのストレスコーピング(対処)に失敗し、再犯する人たちが多いのです。依存犯の治療を必要とする薬物使用の事犯の方ならば、依存症回復施設(中間施設)で教育を受ける機会がありますが、治療の対象とならない人たちは、教育の機会が皆無です。また、矯正教育の機会は義務であってはならず、教育を受ける権利、受けやすい状況であれば良いと思います。
お金の意味
つみ☆げしゅでは、逮捕された経験者は、1000円で参加できます。参加費1000円としたのは、通常のワークショップ参加より費用の面での敷居を低くし、本人が動機を持って参加することを求めるものです。刑事施設経験者には参加費の割引こそあれ、グループの中では他の参加者と変わらず、フラットな立ち位置での参加を求めています。前半には、自律神経を調律できる身体にアプローチするワークを予定しています。こころをリラックスし、身体をリフレッシュしていきます。ファシリテーターは かずりん(GNK 白坂和美さん)。オーガナイザーは 岩崎風水(東京発達ラボ主催)です。刑事施設に興味を持つ人、自己の中の「罪」をテーマに参加する人、矯正施設関係者、保護司、弁護士、無職の人、ただ興味が湧いた人、何者でもない人など、多様な方たちの参加をお待ちしています。一般参加5,000円になります。
こちらは、facebookページです https://www.facebook.com/events/438403843959308?acontext=%7B%22event_action_history%22%3A[%7B%22surface%22%3A%22page%22%7D]%7D
